ラベル

2012年4月30日月曜日

真実とは


ひとつ、面白いなぁと思い気になったので考えてみる。

職場の送別会で送られる側として参加してきた。
最近新しく入った他店から来た男性店長と新人スタッフの歓迎会も兼ねていた。

その店長はうちの彼とも昔からの仲だったようで、
店長なりの彼の噂を言っていた。

私と彼の期間を訊き、「あぁそういう順番か」「彼はフェードアウトが得意だよ」と。

それを聞いた私は以前なら漠然と気になり不安になっていただろうと思った。

そっか、これって試されているなと思った。最近の私は無敵だしな。

「そういう順番か」→ 私もいろんな人と交際してきたから順番はそりゃああるよな。
私の昔からの知人たちは私が変な人と付き合ったり、傷つくような恋をしてきたことを見てきている。
別れたほうがいいよと言ってもらっていたのに、なかなか別れるのに時間が掛かったりもした。
私の友人が私の彼に向かい「そういう順番か」と言うのと同じことだな。
まぁ私の友人たちはそんな失礼なこと言わないだろうが。
しかし店長は私に考える機会を与えてくれたから失礼だけど有難い。


「フェードアウトが得意」→ この店長はたまたま彼がフェードアウトしたくなるような人と付き合っている時を見ていたんだろうな。
または、彼を好きだった女の子が最近連絡来ないと嘆いていたのかもしれないね。
フェードアウトするということは、「あぁ、僕とは合わないな。でもはっきり言うと彼女を傷つけてしまうかもしれない」という彼の優しさなのかもしれないし、
言うのが面倒だという優柔不断さなのかもしれない。

店長の発言は店長の視点から見て、聞いて、感じ、頭に残っていたことであり、真実というものとはイコールではないと思う。
そして店長もこれは噂だけどね。と一言付け加えていた。

マスコミの記事を鵜呑みにしているのと同じかもね。


事実此処に存在しているものというと、彼のおかげで人生観が変わり、視野が広がり、本を積極的に読むようになり、得意分野を改めて自分の才能として認め伸ばそうとしている私が此処にいる。
これは彼のおかげだ。彼は最高の恋人だ。彼のおかげで自分の軸を持つことが出来た。

すべての物事は中立で意味付けをするのは私自身。

私の目の前で起こることを私の固定概念・観念で決めつけることをせずに、物事をそこに置き、多方向・多方面から見て考えていこうと改めて考えるきっかけになった。

旅のあいだに、彼も心変わりをするかもしれないし、しないかもしれない。
ただ、彼が幸せならばそれでいい。

最近考え方が変わったからか、彼といる時も以前より楽しい。
きっと彼も同じであろう。

すべては良い方向に流れていくから、互いに離れるのが良い流れなら自然とそうなるんだろう。
今は一緒にいるのが楽しい。

そして元気な私の姿を見て元気になってくれたら嬉しいと思う。


2012年4月26日木曜日

価値観


人の価値観は人それぞれ。

価値観を押し付けてはならない。

人の価値観にふりまわされてもいけない。


昨日も朝から思いもよらない出来事が起きた。

東京かまじいの家の屋根裏に住む小説家くんが関西の地元に帰ってきていて、東京に帰る前に会えないかなと連絡があった。
前日でも翌日でもないこの日だったから私も会えた。本当にタイミングが合う人だ。

淡路の味のある喫茶店を紹介して、語り、淡路の商店街を歩き、うちでご飯を作ってくれて、食べ、語り、ゆっくりし、会話が無くても満ちた空間を生み出せる相手。
喫茶店もとても気に入ってくれた。

心の中の友達よ、君らしく生きているかい。SMILEの曲を聴くと彼が浮かぶ。
少しパワーダウンしているなと思う時にメールをくれたり、会うことになったりで、タイミングが良くて、本当に見えないもので繋がっている気がした。大いなる魂は、私の様子を見て繋げてくれている、そんな気がした。私にまたパワーをくれた。

どうしようか悩んでいたことも、行きたいなと思っていた場所へ行くことも、彼がすんなり解決してくれる。
札幌から出てきて東京に住んでいる人と繋がったりしていくことは、すごいことだなと感じる。縁だね。

船旅出発の前日にずっと行きたいと思っていたお店に一緒に行ってくれることになった。
楽しみすぎて鼻血出そう。



彼が、しのちゃんと本棚つくりたいなぁと言ってくれた。

とても嬉しいね。

作りたくてうずうずしちゃうよ。

同じような空間・環境が好きだなとわかるし。


生み出す者同士として私の感じること思うことに共感してくれたり、助言をくれたりする彼の存在は本当に大きい。



なかなか絵を描けずにいたけれど、彼のおかげで筆を持つことができそうだ。


私は私で良いんだと思わせてくれた。



ありがとう。




ふりま


4月15日は大阪の万博記念公園でフリーマーケットに友人と3人で初めて出店した。

出店を決めた時にはわくわくしていたが、それから時間が経ち、他のことをしていたり、睡魔に襲われ冬眠状態だったりで準備をしていなかったが、眠り続けて出店4日前に急にやる気が起こってわくわくが止まらなくなった。

私はここで今までの仕事で得た能力を発揮するチャンスではないか!と気付いた。
室内ゆうえんちというアミューズメント施設で営業販売促進担当・装飾担当として、店づくりをやってきたことを生かす絶好のチャンス。

いかにお客様にお店のウリが何であるかわかりやすく、目を引くような展開。
誰が見るのか、誰に見てもらいたいのか、対象を考える。
・他店との差別化
・オリジナリティー
・世界観
・ボリューム展開
・わかりやすく、かつごちゃごちゃさせない
・クリンネス、売り場をきれいに。などなど。

そして店長代行として培った、みんなの自発を促すマネジメント力。全体を見渡す目。

なぁーんてことなどを考えていたのだ。
フリーマーケットという世界を知らなかったからこそ、こんなことを考えていたという部分は否めない。


勤務していた当時の殴り書きのノートを見返すと、そのときにも自分の全力を出し切っていたのを感じ、
その都度その都度、私はしっかり考えていたと過去の自分が今の自分を励ましてくれているようだった。


~~~ ノートから一部抜粋 ~~~

管理:コントロールと管理:マネジメント 
の違いがわかって実践するのが店舗管理者の仕事。
実績というものは半年後一年後にしかわからない。
でも答え合わせをするころには流れが変っていて正解なのか分からない。

ただ解ることは売場の全員が一つの目標に向かって働いているかそうじゃないかってこと。

私が今、必要なことは経験値と人心術。
全部が経験と勉強。人心術は教えてもらうことができない。
自己研磨と勉強。

真に受けず聞き流す努力をしなければならない。
どんなに出来る上司でも親でも兄弟でも全部受け止めていたら疲れる。
だから聞き流すことは聞き流さないといけない。
納得できるまで、妥協点が見つかるまでスタッフと一対一で話をする。

ほめてやる気を出す人
お尻をたたいてやる気を出す人
いろんな人がいる。
いろんな人を統括しなければいけない。
いろんな知識が必要。

~~~~~~~~~~~~~~
など、尊敬する人から電話でお聞きした言葉をメモし、ノートにまとめていた。
店長代行という立場にさせていただいて、その肩書に自分を近づけねばと必死になっていた。

空回りしていた時もある。
みんなに嫌われたりもした。
いろいろあっていろいろ学んだ。
空回りも無駄じゃない。
わからなくなることは、より深く考える為のチャンスなんだと思った。

また装飾担当として最低限のことしかしていなかったが、たまにある社内の装飾コンクールでやる気を出していったら本社の会議でも「さすが田中さん」と話題となり注目していただき、上司たちからとても評価していただいた。とてもありがたい。

〝評価されるということ〟は自分の中の力をぐっと引き出せるようになること。
誰とも関わらないと客観的に自分を見れなくなる。

装飾を作るにあたり、〝誰が見るのか 誰に見てもらいたいか〟対象を考えた。

頭に浮かんだのは「こどもたちにワクワクしてもらいたい」ということだった。
こどもがワクワクしていれば親もワクワクするはずだ。

ここに 基準=ワクワク という方程式が生まれた。

となると、私がワクワクして作れるかどうか。


どんな装飾がこどもたちはワクワクするかな。
そんなことを考えて構想を練っている自分が一番ワクワクしていた。
通勤の電車もわざと普通電車に乗りノートにアイディアをどんどん描いていった。

ワンルームの部屋の一辺の壁の家具をすべて退かせ、
大きい紙を貼り、そこに構想したものを現してゆく。

とてもとても楽しくて、充実感がすごかった。

あんなに大好きだったそこでの仕事。

「この仕事なら子供と関わることができるし、
装飾を作ることで評価していただける。
ありがたいような期待もしてもらえる。」

そんな充実感でいっぱいだった去年。

そんな考えに自ら縛られていないかと考えた今年2月。

5歳の子が3歳の頃に着ていた服が自分の服なのに着ることが出来ないということと同じで、自分にピッタリくると思っていた仕事も何かズレを感じ始めた。

これは新しいことが近づいてきているんだと予感した。

成長した自分には、またピッタリくるものが来るのだと、自分の未来を信頼した。



生きるということ
生活するということ
創るということ
働くということ

世の中、人生のほとんどの時間が仕事に割り振られる人が多いなぁと思い、それがまた疑問に感じたりする。
このことについてはまた後日書こうと思う。



だいぶ話が逸れてしまった。






フリマ4日前、とりあえず出品するものを用意していく。

用意しながら、フリマの見せ方のポイントなどネットで情報収集していく。
人によって書いてあることが様々なので自分たちに合ったスタイルを探す。

参加するフリマでは手作り品も出品していいと書いてあり、何か雑貨とか作ろうと思っていた。

フリマでかぶりものを作って注目してもらおうと思い、かぶりものを作るのに集中して結局手作り品は作らなかった。
それがのちに正解となる。

わたしの大好きなアーティスト山さきあさ彦さんのかぶりものを参考に作る。
http://www.ac.auone-net.jp/~asahiko/about/

私だけのキャラクター。
思うがままにやってみた。

集中すると睡眠が3時間とか4時間になる。
何かに打ち込むと眠さがあまりない。

急に「あ、今寝るタイミングだ」と思って寝て、パッと目が覚める。

冬眠期間はこのためにあったんだなと感じた。

フリマ前日は一緒に出店する友人2人が泊まりに来た。

来る前に掃除をしていたのだが、たまたまBS朝日で 恋する惑星 という素敵な番組を見つけてしまい、涙が止まらなくなった。
掃除しつつそれを見て涙を流し、涙流しながら掃除をするという傍から見たら笑ってしまうような光景だったと思う。
この番組は貫地谷しほりちゃんが世界の3つの都市、パリ、ウィーン、TOKYOを訪ねその街で恋に生きたミュージシャン、アーティストらの恋物語を辿る番組。
http://www.bs-asahi.co.jp/koisuru/index.html

一つの人生のうちにどれだけ深く人を愛せるか。
どれだけ煌めく恋をしていくことが出来るか。
“恋愛”というものを大切に思い生きていきたい。

掃除をし、翌日の朝ごはんの用意をしながら2人を待つ。

駅に迎えに行く。
3人のテンションは高い高い。3人同時に喋る。そしてみんな聞いていないくらい気持ちは浮いている。
遠足前日の児童のようなものだった。

うちに来てくれる友人たちはみんな部屋のあちこちを見る。
いろんなところにいろんなものがあり、飽きないようだ。
芸大生の部屋みたいと言われる。元美大生ですしね。

出来れば自分の部屋を個展の場所としたい。
セキュリティーや個人情報の問題で難しいが、
私は生活を作品としたい。
また話が逸れた。


二人は私の情報収集してfacebookにupしたものをすごいすごいと言ってくれた。やった甲斐があった。

どんな配置にするか、ざっと考える。
ハンガーラックなど大きいものは車が無いため工夫する。

考えながら恋の話もする。

シャワーを浴びたり寝る準備をしてふとんに入る。

「お泊まり会」…なんだか久しぶりだ。小学生のときみたい。

睡眠時間が少なくなるため程々にしておやすみ。

起床時間は5時半。
私は深夜の静かな時間に頭が冴えるので普段は7時半くらいに寝るので寝れない。
4時くらいに眠れた気がする。

5時くらいに炊飯器のピコピコグルグルって音で目が覚める。二人は炊飯器の音に気付かないようだ。
5時半の目覚ましでスッと起きる。

「ねむいー」という感覚はない。
すぐにふとんをたたみ、お湯を沸かしお茶を入れたり、作っておいたお味噌汁などを温める。

メイクも2分あればできる簡単な顔なので、楽だ。
みんなが朝ごはんを食べてくれる。
美味しいと言ってくれるのが嬉しい。

大きいそして多い荷物を持って出発。
お昼御飯をコンビニで調達。外で順番にスーツケースを見張る。
コンビニのお兄さんは私の登山用リュックを見て友人に登山に行くんですか?と声を掛けてきたようだ。
いえ、フリマです。たくさん売れるように祈っていてください。と友人。
わかりました!と素敵なお兄さん。

わくわくしながら万博公園に向かう。
天気はとても素敵な青空。

モノレールに乗っていると桜に囲まれた万博の太陽の塔が見えてくる。
この季節に万博に来るのは初めてでとても素敵な光景を見ることができた。

桜が舞い、いっそう私たちの気持ちを盛り上げる。

太陽の塔の前でぱちり。





会場となる広場には続々と出店者の方々がやってきていた。
車で来た方々はキャリーでどんどこどんどこ荷物を運ぶ。

彼らは彼ら。
私たちは私たちに合ったペースでやっていく。

サイドの出店者の方々に挨拶をして、荷物を広げていく。
ハンガーラックのない私たちは、スーツケースの伸びる持ち手に軽くてある程度長さのある突っ張り棒を結束バンドで止めるという方法を思いつく。
これがなかなか良かった。私は結束バンドが大好き。

3人ともジャンルばらばらで持ってきたのがバラエティー豊富で良かった。

商品もだいたい並べ、オープン時間を過ぎ、お客さまがぽつぽつと来る。

そろそろかしらとドキドキしながら作ってきたかぶりものをかぶる。






じゃーん!






いぇーい!

変なかぶりもの!




このあと赤いカーディガンを着て腕を隠したよ。バランスの悪さハンパない!

なんかいる!へんなのがいる!なにあれ!ってクスってみんなが笑ってくれるのがうれしい。

写真を撮ってくれる人。

握手してくれる子。

営業マンがんばれよ!と言ってくれるおじさん。

駆け寄ってきて抱きついてくれる子。

かわいいかわいいって言ってくれる子やおかあさん。

泣いていた子が笑ってくれたり。それがとてもうれしかった。

やっぱりこうやってこどもと関わるのが私は大好き。

ある子が名前のない私に名前をつけてくれました。

「おしゃんてぃー」という名前。

うれしかったなぁ~。

初めてかぶりものを作って改善点とか見つけたから、また新しいのをつくるよ!船に向けて。

どこから見てるの??と言ってもらうことが多く、しめしめ。やったぜ。と思った。

自分で「ここだよー」って教えてたけどw

家にあるものを出店して、11960円にもなった!
すごい!

買ってくれた方々どうもありがとう。
モノの価値というものもいろいろ考えるきっかけになり、またひとつ勉強になった。
ともに出店してくれたみんな、お疲れ様でした。
みんなで話した「これって最強なメンバーだったよね」という言葉がとてもうれしかったよ。



フリマって、値段を下げるよう求めてくる人が多くてびっくりした。
50円だとしても、「10円!」と迫ってくる。
なんなのだろう。あれは。



フリマという場所は家にあった要らないものをいかにお金に換えるかなんだろうけど、そんなに安くしろと言うなら買わなくて結構だよ、と思ってしまう。
フリマに向かないかもね、私。


フリマじゃない時だけど、私も値切ったことがある。でもそのあと良い気持ちはしなかった。

そこから気持ちの良い買い物を心がけようと思った。


サービス業をしていて思ったことがある。
スタッフに明らかな非があるときを除いて、激しいクレームや言い掛かりの様な事を申し出るお客様は、心に余裕がないんだろうなーってことを思い感じていた。

そして、そうはなりたくないと思った。


サービス業から離れている今、私が関わるお店のスタッフさんがいかに気持ちよく仕事が出来るかを客の立場からアプローチ出来ないか考え動くように意識している。

実際、スタッフとして働いていたときに、お客様に笑顔でありがとうと言ってもらえるだけでとても元気がもらえた。
スタッフが少なくてわたわたしていると「大変ですね」と労いの言葉を頂いた時にはとても有難く感じた。

サービスを提供する側も、気分が良くなれば、そのまま他の場面でも気持ち良く過ごせるだろうし、そうやってすべては連鎖していくんじゃないかなと思う。

笑顔は連鎖する。


だから私は声に出して笑顔でありがとうといつでも言える人間でありたいと思う。














2012年4月16日月曜日

おすし


先日も不思議なことが起こった。
よく起こる人だよ、私。

彼と回転寿司に行って、最初にサーモンに角切りトマトとバジルソースがかかっているお寿司を食べて、その後他のを食べて、最初に食べたのがおいしかったから最後にまた食べようと思ったんだけど、

メニューに載ってない!

季節限定メニューにもない!

おそらく試作品が流れてきてそれをたまたま食べてしまったのだろう。

とてもおいしかったよ。

それにしてもラッキーだったな。
うふふ。

~ 私は私である ~


I am that I am. 天上天下唯我独尊。
という言葉が頭に浮かんだ。

先々週も素晴らしい方々とお逢いした。
投稿に時間が経ってしまったな。

先日の東京の出来事を綴った~東京メトロ~に、作品づくりにおいて他人の目を気にしている自分に気付いたと書いたが、
はたして、芸術家という者にとって他人の目を気にするという行為はいけないことなのだろうかと考えていた。
良い悪いの判別をするのがナンセンスなのだろうが、その判別という行為も〝一般的に考えて"が奥に潜んでいる。

芸術家とはなんなんだ。なんとも抽象的になってしまう。

私は、「誰かが喜ぶ絵を描けたら、嬉しい」という素直な気持ちがあると気付く。

芸術家は自らの世界を情熱的に表現して、創るのが止まらない!くらいの勢いを持っているものだ。
じゃないと芸術家ではない。と私は定義付けをしていた。


しかし私は描けない時がある。
描けないなんて私は芸術家にはなりきれない、とか自分の在り方に納得出来ないでいた。

絵を描くのが好き!

本当に好きなのか?

正しく言うならば、自分が描いた絵が好き!なんだろな。

描きたくて描きたくてたまらない!勝手に手が動いちゃうの!というのではないんだよ。
だから勝手に手が動いちゃうのって言う草間彌生さんにはすごく憧れる。彼女は彼女で幻覚幻聴と絵を描くことで戦っているのだけれども。

今、お兄ちゃんの愛犬の絵を描いているんだけど、可愛すぎるその写真から、絵にすると何だかぬいぐるみみたいになってしまっている。
描きながら悩み中。
まだ納得いかない。
24時間芸術家で居続けることの出来る芸術家はいない。インスピレーションを受けて筆を走らせているそのときが芸術家である、とある本に書いてあったっけな。
なんというタイトルの本だったか思い出そうとしてるのに、ぜんっぜん思い出せない。思い出せなくて本屋さんに行った。

描けない時があってもいいのではないか?
描けないときは、本を読んだり料理を作ったりすればいいのではないか?
許すという行為を自分にもしてみよう。

ありのままの自分を許してみよう。ポジティブに。

自分の内から出てくる感情。
それを優先して行動を起こす。

私はこの行動の仕方を実験してみている。

近年いろんな書物に書かれている(もしかしたら近年以前からかもしれないがそこまでいろいろ読めていない)
「自分の内なる声(あるいは魂の声)を聞いて行動すると自然と自分の欲しいものが手に入ったり、見えない力にサポートされる」みたいなことが書いてある。
経験しなければ100%まで信じることが出来ないが、本当にそうなのかなと、その生き方をやってみている。


やってみたらいろんな素晴らしい経験がここ2週間で起きている。
本に書いてあるのは満更ウソじゃなさそうだ。
偶然に見えて偶然じゃなく、自分が引き寄せているが、それはみんなが私に素敵な情報をもたらせてくれているからだ。
すべての存在にみなさまに感謝します。

最近、自分の口から出る言葉を口から発した時に、あ、私はこう思ってるんだな。とか
自分じゃない誰かが私の中から話してくれているような不思議な感覚に陥る。

先日も先輩の紹介で初めてお会いするかたに私の名刺をお渡しし、自分が何者か説明をする。
個展はやらないの?と訊かれ、描いてその都度プレゼントしているんで、手元に残らないんです。
プレゼントして喜んでもらえるとすごく嬉しくて。と伝える。
以前なら、え、まぁ…とかしか言えずでなかなか会話というものが苦手だったが、ここ最近、自分じゃないようだ。

「それはとてもすばらしいね!僕もそうだよ。自分がつくったものをすごく気に入って手離したくない!って思ったりするんだよね」
「あ!わかります!」なんてやりとりを、なんと江戸から続く唐紙屋の唐紙師としてしまった。は~
すごい人と想いを共有するなんて私すごいと興奮してしまった。


私が描いた絵で食べていけたら…と思う部分もあるけれど、プレゼントという形が好きだ。
お金というものを頂くのはなんだか気がひける。
だから私の好きなお菓子のRITZクラッカーをプレゼントしてもらえたら嬉しいな。
さらに言えば、うちの畑でとれた野菜持って行きんしゃい。ばーちゃんありがとう!そんなやりとりに憧れる。

その唐紙屋、唐長さんの工房に先輩とお邪魔した。http://www.karacho.co.jp/
建築家の先輩が「いい経験になると思うよ」と先輩のお仕事に同行させてくれた。

唐長は創業寛永元年(1624)より続く日本唯一現存する唐紙屋。
江戸時代から代々受け継がれてきた板木にひとつひとつ手仕事で和紙に文様を写し取る。
唐紙は襖紙や壁紙として用いられている。

お香の香りたちこめる工房で心が洗われるような感覚がした。
そしてスタイリッシュな空間。

光によって
観る角度によって 
無限の表情をもつ唐紙。

さまざまな文様の唐紙を見せて頂いた。
さまざまな文様の意味を説明してくださる。

渦を巻いているものや、四角が組み合わさっているもの
南蛮七宝文様 角つなぎ 組紐

無限につながってゆくもの
すべてはひとつ そのように感じる。

世界を駆け巡りシルクロードを伝わってきた文様。
死生観を表しているそうだ。

一度死んで再生する。

偶像崇拝の禁じられたイスラム教のモスク。
可視的物質世界を超えて広がる無限のパターンを構成しているアラベスク文様からも唐紙に繋がってきているのだろうね。

唐紙師のトトアキヒコさんは奥さまである11代目の千田堅吉氏の長女千田愛子さんとともに現代における唐紙の可能性を広げていっている。

昨年、護王神社に奉納されたトトさんご夫婦の「イノチノヒカリ」という作品は、生命の繋がりと世界平和をテーマにつくられたそうだ。

「以前、オノヨーコさんの作品を観に行ってね。その時、白いキャンバスに一本だけ線が描いてある作品があったんだ。
この線は非常に大きな円の一部です。と書いてあって、それを見た瞬間、心打たれたんだ。」

トトさんの作品はオノヨーコさんからインスピレーションを受けて出来たものだそうだ。

青に染まり
愛に染まる
青はとこしえ

青は世界を紡ぐ色だとぼくは思うのです。
青く輝くこの地球、たかくたかく青い空のもと、煌めく天空の青は、
宇宙の青にも繋がり、いつも世界をつなぐイノチノヒカリと言える。(『護王』第108号より引用)

この作品は指で何度も何度も和紙を染め無数の点をたらしこみ混ぜ合わせている。
指で染める回数は五万回以上にも及ぶ。
「馬鹿だと周りから言われることも、続けていくうちに馬鹿じゃなくなるんだよ。馬鹿も続けていけばいつか認められる」
トトさんのこの言葉が印象深かった。

トトさんご夫妻の作品「イノチノヒカリ」は以下のHPで見ることが出来ます。
http://blog.goo.ne.jp/kiratoto/e/fb47113b156224df26e7da34ff75eb2c


唐長さんにお邪魔した後、先輩とランチをしていた際に、そうそう!こんな面白いことしている人がいるよ!
と、山さきあさ彦さんというアーティストを教えてくれた。
教えてくれた日には山さきさんは京都の梅小路公園で手づくり市に参加されていたので行こうと思った。
この日、職場に退職願も出しに行かねばならなかった。

ランチを終え外に出ると雨が降ってきた。
先輩と別れ、駅に向かう。傘は持っていなかった。

コンビニで簡易傘を調達しようとも思ったが、コンビニがないまま駅に着いた。
土砂降りに遭遇しなくて幸いだった。

職場に行くと、偶然私をとても評価してくれていたエリアマネージャーのおっちゃんがいた。
店長はちょうど休憩中で居なかった。

「しの!もう戻ってこなくていいからな!ほんまにいいときに辞めたわ!どんどん変な方向に行くわ!この会社!
わしが辞めたら株を買い占めて会社を変えるねん!」と威勢の良い声で言ってくる。たまに聞き取れない。

4月からの営業対策を見ていると本当にいいタイミングだったと感じる。
そんな会話をしていると店長が休憩から帰ってきた。

退職願やら名札やら名刺やらすべて提出・返却してきた。
あと明日大きい木枠を取りに行っておしまいだ。
もう行くことも無くなるだろうな。おそらく。

エリアマネージャーと食事の約束をして店を出た。
まだ天気はあまり良くなかったので梅小路公園の手づくり市はあきらめて帰ることにした。

インスピレーションを受けて筆を走らせているそのときが芸術家である、と書いてあった本を探しに駅前の本屋さんに行ってみた。

背表紙たちとにらめっこ。

ぐるぐるまわり、以前欲しいと思っていた本に出逢った。
東京でお世話になったかまじいの家の屋根裏部屋の小説家の彼が、本を書くときに人物像の参考にしているんだと言っていた石井ゆかりさんの12星座シリーズの本。
小説家の彼は、「興味のある星座の本を集めてて・・・」と言って5冊ほど本棚から持ってきた。
その中に私の水瓶座の本は無かった。
「言った後に、しまった!と思ったよ、水瓶座に興味ないわけじゃないよ!」と必死になっている。
みな思い思いに射手座や双子座など読んでいて、みんな面白そうだった。

そんなことがあり、本屋さんで水瓶座の本と出逢った。
帯に書いてある言葉を読み、ひとり本屋で笑いが止まらない。

「 宇宙人とも友達になれる。 」

あ、これは買うしかないね。って少しめくり、手にして再びはじめの目的の本を探して回る。
石井ゆかりさんの本は占星術だけど、占いって感じではなく、星たちと私たちの関係を見て説明してくれているような。
ん、それって結局占いなのか????石井さん自身、占いは信じるべきではないと思いますと書いているのが面白い。


かまじいの家の住人らと話してから、血液型占いと占星術って全然違うものなんだなって思うようになった。
それは地球が誕生する前から星たちは存在していて、その星たちの影響は少なからずあるでしょう!と思うのだ。

占いを信じきることはしないが、なるほどなーわかるわかる。という程度でいいのだと思う。
信じるべきものは自分のインスピレーションや直感じゃないかな。
しかしそこも過信しないように注意が必要かもね。

それこそ、バシャール氏の言う毎瞬毎瞬ワクワクすることを選択するということに繋がるな。

結局探していた本は見つからず、また他にも気になった本を手に取りそれらを購入した。

先日友人から勧められた本を買ったのに、また本を買ってしまった。
私を呼ぶ本たち。
しかし、悔いはない。

本を読み出すタイミング。

買ったのに、ちょっと入りが難しく感じて閉じたままでいても、他の本を読んだり違うことを勉強してから買った本を読み出すと、
内容が繋がったりして自分に入って来やすいことがあることに気付いた。
なのですぐに読まなくても買ったことを後悔しなくなった。

船に本を持っていって、ひたすら本を読みたいとも思っている。
出発まで一ヵ月を切った。

無我夢中でひたすら絵を描く ということができない私は、もしかしたら、
まもなくすると絵ではない違う道、もしくは絵から派生した新しい自分の道が現れるのかもしれない…なんて思った。

本屋の下にはドラッグストアーがあり寄ってみると、いつも使う化粧水や乳液の詰め替えパックが売っていた。
この詰め替えパックはなかなか出会わないうえ、ここでは値引きがされていたので、船旅用に大量に購入した。
なかなかツイている。いいねいいね。

次の日、何気なく山さきさんのホームページを覗くと、大阪の富田(とんだと読む)で個展しているとあり、
しかも翌日ワークショップ開催とあってすぐにギャラリーに連絡した。

やさしい声のギャラリーのオーナーさんは、定員に達しているけど、簡易の椅子で良ければどうぞと言ってくれた。
これまたほんとにツイている。

その近況をfacebookに書きこむと友人が、
富田のKAKURAというお店で働いていたよ。いろいろなことをしているお店だからぜひホームページ検索してみてね。と。

素敵な情報がどんどん舞い込んだ。

山さきあさ彦さんは私の好きな色づかいで作品を作っている。
HPのご本人のプロフィール写真はシュールなかぶり物を着ている。
http://www.ac.auone-net.jp/~asahiko/about/

私はこういう世界が大好きだ。大好物だ。
ぜひこのかたと繋がりを持ちたいと思い、ワークショップを楽しみにしていた。

そしてKAKURAさんのHPを見て驚いたのはオーナーさんは私の出身大学の大先輩だったこと。
みなさん素敵にご活躍されているのね~私も頑張らなきゃって思った。http://www.kakura.in/

HPに最初に出てくるのは

〝生きることを楽しむこと〟

〝感性が磨かれること〟

〝自然に感謝すること〟

〝KAKURAは、そんなことに気付く 「ものづくり」 「時間づくり」 に取り組んでいます〟 

という言葉たち。
東京の旅から帰ってきてちょうどそういうことを考えたりしていたのでズキュンときた。
コンセプトがとても素敵で洗練されている。
私の友人はこんなに素敵なところで働いていたのだねーと羨ましくもなった。とてもとても。

こちらのお店もワークショップの後にお邪魔してみようと思った。

30分ほど早く行けばちょうどいいかな?と思って早めにワークショップのギャラリーに行くと
すでにご近所のおばさまや、小さい女の子とおかあさんとかが作り始めていた。
お、作者の山さきさんはこんなかたなのね!とドキドキしながら、自分で使う布を選び、小さい女の子の近くに座った。

仕事を辞めてからちびっ子と関わるのが久しぶりだったため、とても嬉しかった。
これなぁーんだ?とその子は自分のカバンにつけているキャラクターを見せてきた。
こ!これは!うちの店にあったジュエルペットと言うカードゲームのキャラクターではないか!と心の声。
「ジュ、ジュエルペット!」と答えると、お母さんが「さすが!この子まだうまくジュエルペットと言えないんです。笑」と仰っていた。

室内ゆうえんちで働いていた成果がこんなところに現れたよ。と面白かった。

さぁ、どんなヘンテコぬいぐるみを作ろうか。ボタンを選ぶ。布を選ぶ。
ボタン好きにはたまらない。ボタンがいっぱいだ。
布を選びながら山さきさんに話しかける。

作っていると小学生の女の子とお母さんが来たり、
近所の小学生の男の子がひょろっと現れたり、
想像とは違ったアットホームな印象を持った。

周りの方々もなかなかチャーミングな作品を作っていた。

先生!先生!とみんなが山さきさんを呼ぶ。

ある種不気味な(ごめんなさい!)それでいてチャーミングで可愛いぬいぐるみを大量に作って個展をしてワークショップをすると、みんなから先生と呼ばれるんだな。
不気味なことも(すみません!)続けていると形になるというところでは草間彌生氏に通ずる部分があるなぁと思った。
唐紙師トトさんの言葉と同じだなぁと思った。

「私は何を続けてゆく?」

まだはっきりしていない。しかし、はっきりしていなくても焦らない。
ベストなタイミングですべての物事はやってくると信頼してるから。
ワクワクすることを毎瞬やって行けばいろんな可能性に繋がってゆくと思うから。

もくもくと不気味なぬいぐるみを縫い続ける。
私の分身。海外でこの子と写真を撮るのよもくもく。
そんな感じで作っていく。

布やボタンを選んだり山さきさんに話しかけたりしたから時間が足りなくなりそうだった。

小学生の女の子のおかあさんがなかなか面白い。
作品を作り終え、このおかあさんと話す機会があった。
フリーの編集者だそうだ。これまた面白い繋がりだ。
娘さんは手芸も好きだが映像を作るのも好きで紙をとめるクリップを使った映像を作ったりしているらしい。
どんな作品なのか分からないが、その子と何か映像を作れたら面白いな、なんて思った。



 

不気味に作ってみた。
「思考する者」というタイトル。宙を見てなにか考えている。
口は鳥さんのボタン。えくぼもつけた。
私がいつも付けている黒いリボンもつけたよ。

みんなで出来たぬいぐるみを並べて写真撮影。
みなさまハイセンス!でした。
横型の写真がどうしても縦に回転してしまってうまく貼れない。
不器用だなわたし。

ギャラリーのオーナーさんにも名刺をお渡しした。
どんどんへんなことやりなさい!って言ってくださった。
個展の最終日だったので、山さきさんの奥さまも搬出のためにいらした。
奥さま美人で可愛くて素敵な方だった。奥さまともお話した。

つぎつぎと参加したおばさまがたが帰っていき、搬出作業が始まっていたのに山さきさんに話しかけてしまった。
リスペクトしています!facebookでお友達申請してもいいですか!!!みたいな感じに告白した。
快くOKしてくださった。

私は興奮しながらギャラリーを後にした。

その後KAKURAさんにお邪魔した。
オーガニックカフェを併設している工房でありショップという空間。
ケーキと珈琲のセットを注文し、お店のお姉さんに私の友人の名前を出し、紹介してもらってお邪魔しました。と伝えるが、
お姉さんは友人のことを存じていないようだった。

ケーキと珈琲を待つあいだ、作品を眺める。
赤と黒のレザーの作品がかっこよくて、赤色好きな彼の顔を思い浮かべていた。

お姉さんはオーナーの石原ゆかりさんに友人の名前を伝えてくださり、
HPを見て憧れていた石原さんとお話しすることが出来た。
なんともツイてる私!!

石原さんは「DESIGNER’S FILE 2012」という日本のデザイナーを紹介する本にも登場するくらいビッグなお方だ。
こちらの工房では陶芸スクールやレザースクールなど行っており、ちょうど自分で器を新しく作りかったからまたベストなタイミングで情報が入ってきた。


近頃、自分でつくった器に自分でつくった料理を盛るのが好きなのだ。
ん、この写真は横型なのにうまく貼れた。
←このひじきを盛っている器は自分でつくったもの。








そして今月17日には「おはなしの時間」という語りと朗読のイベントが開催されるようで、和蝋燭の灯りの非日常感たっぷりの中で怖いお話を聴くみたいだ。
早速予約させて頂いた。怖い話!寝れなくなったらどうしよう!そっか。寝なければいいんだな。
語りのタイトルが「生霊」って!そっから怖い。うふふ。

そんな感じで石原さんとお話していると、私の胸につけていた山さきさんのブローチの作品に気付き、ワークショップに行ってきた話になった。
うちの息子も行ってきたのよー、と石原さん。そっか、ひょろっと現れた小学生の男の子は石原さんの息子さんだったのか!
息子さんは写実的なしぶい作品を作っていた。

お店のお姉さんは山さきさんと同じ大学出身で、私やKAKURAを教えてくれた友人と石原さんも同じ学校出身というこの繋がりに不思議な縁を感じた。

石原さんは日本全国マチオモイ帖というプロジェクトについて教えて下さった。http://machiomoi.net/index.html
マチオモイ帖とは、クリエーターたちが各々のふるさと、田舎、ゆかりのある町について思いの丈をみっちり詰め込んだ世界に一冊のノート。愛が詰まっている。
石原さんは富田町のことを描いた〝とんだ帖〟をつくっている。

私はこの日はじめて富田町に訪れた。
古い町並みが残っていて川も流れていて大きな建物も多くなさそうで、道を一本しか歩いていないが、富田という町を好きになった。

ケーキと珈琲を美味しく頂いた。
facebookで石原さんのページを見つけていたので、興奮しながらお友達申請してもいいですか!!!と告白して快くOKしてくださった。
やさしいかたばかりだ。

石原さんは私と一日違いのお誕生日なので、石原さんも宇宙人と友達になれるのかな、と一人で思っていたのでした。

その後、週末は彼と一緒に過ごし、何かあったら互いに駆け付けることの出来る程よい今の住んでいる距離がいいのだなと気付いた。
広島県福山市への移住計画はパラレルワールドのもう一人の自分に任せることにした。

そして富田町に住んでみたいとも思ってきた。
また晴れた日に富田の町を歩いてみようと思う。


2012年4月9日月曜日

東京メトロ


先日の旅の日記をここに載せる。



今回の旅の一番の目的は東京国際フォーラムで開催のアートフェア東京が目的だったが、
私の人生観を変える大きな出来事が起こった。

時間を気にせず気になったところに行ってみようと思い、
「すべてはベストなタイミングで起こる」という観念のもと、
出発の時間も考えずに行動を起こした。

3月29日~4月1日。
決めていたのは29日の夜に元同僚くんたちと上野で会うこと。
30日にたけだ美術さんで草間彌生展を見て画家の友人とアートフェアに行くこと。
夕方からは原宿テラスでくろだめしに参加すること。
30日、31日夜はかまじいの家に泊めていただくこと。

出発の日は素晴らしい青空だった。天気というものは時にワクワクさせてくれる。
雨も嫌いじゃない。
阪急電車に乗り、みどりの窓口で新幹線の切符を買い、お土産を買い、新幹線に乗り込む。
この流れの何とも言えぬスムーズさ!素晴らしい。

東京駅に着いて皇居が見えたから皇居周りを歩いてみた。
皇居大きい。。。そらそうやな。噂の皇居ランナーも平日にしてはいっぱいいるんだね。
皇居の周りに警視庁や国会議事堂とかが。ここにあるんだぁ~って思った。
んで皇居近くの北の丸公園にある科学技術館で開催中の全日本学生児童発明くふう展を見て、
歩き疲れたから地下鉄で上野に向かっておこうかと思い、九段下駅に向かって歩く。

震災で天井が落ちて死傷者が出てしまった九段会館はここにあるんだぁ~って思った横には
昭和館という建物。http://www.showakan.go.jp/events/kikakuten/index.html
「昭和の紙芝居」展が開催中で入場は17時までで、その時16時40分。
開館は17時30分までではじめはたいして興味はなかったがぎりぎりまでいた。
紙芝居の展示が並んでいて、たいして興味はなくても歴史を感じて楽しかった。
文字が右から書かれているものと左から書かれているものがあったり、
テレビの登場前の娯楽・メディアとして紙芝居があり一種のエンターテイメントだね、
って思ったよ。

上野駅での待ち合わせが19時30分で、1時間半くらい時間があったけど、
お昼も食べてなくて、かなりおなかが空いてしまい、駅にあったHardRockCafeに入った。
http://www.hardrockjapan.com/
お兄ちゃんの影響でか、HardRockCafeというお店は前から聞いたことがあったけど、
行ったことがなかったから、とても気になっていた。
子供連れや家族が意外にも多かった。スタッフからはなんやこいつって視線を感じたけど、気にしないぞ!

メニュー見て高い!と思いながらも、アボガドを使ったソースというのに惹きつけられ
グリルド チキン ケサディアというものとトマトジュースを注文した。
美味しすぎて感動した。安いとも感じるくらいだった。
(タンギーBBQソースで味付けしたグリルドチキン、グリルドパイナップル、
モントレージャックチーズを、トルティアにはさんで焼き上げました。
フレッシュなアボカドから作るワカモレ、サルサ、サワークリームとご一緒にどうぞ。
追加料金でグリルドチキンをグリルドシュリンプ又はグリルドビーフに換えられます。)というメニュー。
大阪のHardRockCafeにもこのメニューがあるようだから、今度行ってみようと思う。
なんやこいつ視線を浴びてこよう。


んで食べちゃったけど、元同僚くんたちと居酒屋へ。彼らは私が店長代行のセミナーで出逢った仲間たち。
後ろのテーブルに居たウド鈴木さんに気が取られる。セミナーで出来た仲間たちはとてもかけがえのないものだ。
私は代行になり初めて大企業の名刺を持つことになった。嬉しかった。嬉しくてみんなに配った。(笑)
企業に守られているのってこんな感じなのね。って思った。
んで、一度経験させていただいたから、もういいやって思った。

その日の泊まるところは予約していなかったが、来る前に家でネット検索して良さげなネットカフェがあったからそこに泊まった。
みんなからは心配されたけど。
フラットスペースでちゃんと横になって寝れるし、狭いとこ好きだから私にはワクワクしちゃうんだよね。
カプセルホテルも狭いから大好きなんだけど、好きな女性専用のカプセルは新宿の方だから今回は泊まらなかった。
12時間コースなんてものがあって、それにした。
貴重品に注意して寝た。

狭いとこが好きだし、きっと私みたいな女性もいるのではないかと思うので、
関西で女性専用のカプセルホテルをしてみたいなぁなんて思った。これを書いてるいま。
今でも女性専用のはあるけど、少ない。デザイン良くても高かったり、
カプセル密集しすぎてなんか微妙だったり。私の頭の中のものが実現出来たらおそらく人気が出るだろうな。

やらないけどね。


起きて、銀座へ。11時からオープンのたけだ美術さんだが、着いたのは10時40分。
近くのカフェに行って読書をしようと思いチェーン店の安いカフェがあったよね、と歩いていると
重厚感ただよう椿屋珈琲館というお店が目の前に現れた。店の前のメニューが少し高く感じ、
躊躇したが、どっしりした階段に惹きこまれた。おじいちゃんの家(中村邸)の階段と頭の中で重なった。
http://www.tsubakiya-coffee.com/pride.html
店舗は2階と3階。

中も大正ロマン漂い、とても心地よい。
ホットサンドに惹かれ、椿屋オリジナルブレンドとのセットを注文してしまった。
1時間後に友人と昼食食べるのに。

昔、ママがつくってくれたホットサンドを思い出す。
美味しく頂いて、高いと思っていたものを安いくらいに感じた。

お金の価値というものは面白い。
話が逸れてしまいそうなので、戻るよ。

2階に座り、あ、3階も見てみたかったな!と思ったら、お手洗いが3階だったのでラッキー!3階も見れた。
魅力的なお店は、お手洗いも魅力的だったりするので、お手洗いも拝見させていただく。

トイレットペーパーの予備を積むだけのお店は多いが、
こちらはトイレットペーパーの先を斜めに折ってから筒のところに入れるという手間を加えていて、
とてもきれいだったのが印象深い。

その後、たけだ美術さんにお邪魔する。嬉しいことに、オーナーは一度会っただけの私を覚えていてくれた。
さすがです。http://www.takeda-bijyutu.com/

草間彌生作品は本当に好きだ。
83歳の今もなお情熱的に作品を創りつづけている。死んでも創りつづけると仰っている。

3月の最後の日曜日に大阪の国立国際美術館で開催中の草間彌生の個展に行ってきた。
画集を買おうかどうしようか悩み、やめておいた。

たけだ美術さんで、美術手帖の今月の特集がちょうど草間彌生特集なのを発見。
私が得たかった内容だったため、購入した。画集を買わなくて正解だった。
この流れ素晴らしい。

会う予定の友人に電話しても地下鉄に乗っていた時だったようで出なかったため、駅に向かおうとしたら、シロタ画廊さんを見つける。草間彌生VS李禹煥 銅版画展がやっていた。
http://gaden.jp/shirota.html
一通り見終わったところで友人から電話。
このタイミング素晴らしい。

おしゃれカフェでランチ。さっきホットサンド食べたけど。
アボガドの入ったバーガーを頂く。アボガド好きね、あなた。

友人とお話。彼女も独特な世界観がある。彼女はかなりの読書家で、
私も最近よく本を読むようになったので、お勧めの本はないだろうかと訊いてみた。
パウロ コエーリョ「アルケミスト」、マーク・トゥエイン「不思議な少年」という本はあなたに合うと思うよ、
と勧めてくれた。と書きながらアマゾンさんでいま注文した。

今年彼女は引っ越しをしなければならないようで、新しくアルバイトを始めるという。
新しく始めるアルバイトは病院の食事を作るお手伝いをするという内容だそうだ。
ワクワクしているのがこちらにも伝わってくるので、私もワクワクした。

ともにアートフェアへ向かった。
3日かけてじっくり見ようと行く前は思っていたが、1日で十分かもと思った。
一通り見て、甘いものが恋しいねと、アリスカフェに入ってみた。
http://www.towafood-net.co.jp/duckyduck/ducks-alicecafe/index.htm
うん、アリスの世界だった。

夕方から原宿テラスでくろだめしに参加する前に、きゃりーぱみゅぱみゅ氏が訪れるお店がある
原宿の竹下通りを歩いてみたくなり、友人と別れ竹下通りへ。

あ、来たことある。と思った。
野猿の最後の撤収Liveで高校時代に「野猿のプリクラがあるらしいぞ!」
と、友人とプリクラを撮りに来たんだっけな。
なぜかあごがしゃくれて写ったのだっけな。

人がいっぱいだったので、通りを突き抜けて原宿テラスへ。http://harajukuterrace.com/
大学時代の先輩の知人の黒田さんがつくるご飯は絶品。おいしかった。
今回の旅はおいしいものばかりと出逢うわね、あなた。

ごはんをつくるお手伝いを少しだけさせて頂いたときに、かわいい女の子が横にいた。
大学生で、春から3回生になるので就活をしなければならないのだけれど、
数社受けて落ちて、本当に就職したいのかわからなくなってきたと言っていた。
私は就職活動せずに卒業後バイクで旅をしながら住み込みでバイトをしたよ。
と言ったら、彼女は「そういうのに憧れるんです!!」と言ってくれた。
私は旅をして自分の部屋を離れて生活していると、自分の好きなものに囲まれた生活が恋しくなり旅を終えた。
なんたって派手なものが好きだからオレンジ色やピンク色や赤い色が混在していないとそわそわする。
大学時代に京都四条河原町の有名な手相のおばちゃんに就活について相談したら、
そのときに考えればいいんじゃない?と、手相と関係なさそうな言葉が返ってきた。
それが頭にずっとあった。

だから彼女には私みたいに就活しなくても楽しく生きてる人間がいるよと、言っておいた。
彼女は少し光が見えたようで今日来て良かったー!!って言ってくれた。
私の存在が人さまのお役に立てたみたいで嬉しかった。

実はご飯を作ってる黒田君の妹さんだった。
お兄さん!妹さんに就活しなくてもいいんじゃない?ってアドバイスしちゃってごめんなさい!
と謝ったら、僕もこんなんですから~wと。

くろだめしには、いろんな方がいらしていたように見えて、ウェブデザイナーや住宅デザイナーや
コミュニティデザイナーやらデザイナーが9割だった。

そこにいらしていた、笑顔の素敵な和kitchin(http://www.nagomikitchen.jp/
の運営をしていてウェブデザイナーのありささんは、ご結婚されてから3ヶ月間「一緒に旅をしよう!!」と旦那さまを説得しつづけ、旦那さまと世界一周をしたそうです。

私が仕事を辞めピ-スボートに行こうと思ったきっかけは人生に変化をつけたかったからだと言うと大きく頷いてくれた。
ありささんも長く勤めていた会社を辞め、世界を旅しているときに、この時間は仕事をしていることもできたけど、旅をすることに時間を使って良かった、このような体験は仕事を辞めたから出来たんだ、と仰っていた。

私が思っていることと同じことを思って感じている方がいるととても心強い。

私の職場の4月度のシフトは3月21日からで、前日の20日の段階ではシフトは31日まで出勤になっていた。
しかし21日の段階で26日が最後の出勤日となっていたから、今回の旅が実現した。
すごい偶然のようで、いろんな歯車が揃い、素敵な出逢いが広がってゆく。すべてに感謝しちゃう。

くろだめしには他にもこんな方が。
婚活マンションを企画しているプロパティデザインオフィスの代表菊池さんはご自身の企画にとても情熱をお持ちで、もっとお話をお聞きしたかったです。http://www.pdo.jp/

そろそろいい時間だったので原宿テラスを出て、10時40分頃かまじいの家へ。http://kamaji.net/
前の週末に、どこに泊ろうかと思っててーと、ジョリパで先輩に相談していて紹介してくれたのが
かまじいの家だった。
百年の歴史を持つ建物で、元々は明治時代から三代続いたかまぼこ屋だったそうです。
住人達はその堂々と枯れたいでたちを愛し、かまぼこ屋の爺様=「かまじい」と呼んでいるそうです。
そこはシェアハウスで個性の強い濃密なメンバー4人が暮らす家。

夜11時くらいに住人3名が集まる。
先輩が連絡を取ってくれていたウェブデザイナーのお姉さまがつまめるものやお酒を用意してくれていた。
お酒を酌み交わし、語り合う。のを眺める。少し話す。
家主は私と同い年の男性で、ピースボートに通訳スタッフとして過去2回乗船したことのあるかたでした。
「自分が訳し話すことで、皆さんに伝わりありがとうと言ってもらえる、こんな充実感のある仕事があるんだ、この気持ちを基準値としてこれからの人生を歩んでいこう。とピースボートに乗った時に思ったね」と。
ピースボートに行くからいろいろ質問した方がいいかな、とかお会いする前は思っていたんだけど、
その言葉を聞いたら、なんだか満たされた。
住人2人は早稲田出身や慶応出身だったりするので流暢に言葉が続く続く。

屋根裏に住む小説家さん。いでたちは絵に描いたような小説家。
袢纏を着て少し猫背の姿。彼の雰囲気に恋に落ちた時に似た感情を抱いた。
彼が発する言葉をもっともっと聞きたくてたまらなかった。

百年の家は隙間風が多く、冬はとても厳しい寒さだったようで、少し暖かくなったこの日、
住人たちは「春だね~呑んじゃいますかッ」と陽気になっていた。それが可愛くて楽しかった。

明日は僕が夜ご飯をつくってあげるよ、と小説家の彼が言った。
とても楽しみに思い、床に就いた。

翌日は風が強く、朝ご飯を頂き、お姉さまと話して部屋に戻ると窓が机の上にはずれて落ちていて
盆栽がひっくり返ってしまっていた。慌ててお姉さまを呼ぶ。
幸い、窓ガラスは割れておらず、盆栽の梅はつぼみが生きていてくれた。

私の好きな大森南朋氏のプロデュースしているグッズを取り扱う代官山のお店へ。
http://www.bjirushi.com/v2/html/index.php
地図を印刷したのにその紙を大阪の自分の家に忘れてしまった。
まぁ歩いてるうちに出逢うでしょう。と歩いていたけど、
雨が降り風がボーボー。折り畳み傘は何度も裏返る。
しかたなくケータイで住所を調べる。
お店発見。なんやこいつ視線を少し浴びる。
お店に来たので目的終了。
大森氏のブランドよりもWACKO MARIAの帽子が欲しい。

向かい側にDr.Martensの正規のお店発見し入り、出る。
代官山駅に入ろうとして入口が分からずウロウロ。
雨に濡れながらウロウロ。

とにかくどこかで色鉛筆と落書き帳とぱんを調達して家に戻ろうとした。
山手線がとまった。
幸い座ることが出来てたので寝た。着いた。降りた。おなかすいた。
どこかでなにか食べたいと思ってもピンとくるお店はなく、歩き続けていたら
100均とスーパーが一緒になっているお店を発見。ラッキー!
色鉛筆と落書き帳とぱんを調達して帰って絵を描く。
今回の旅を通して、自分のホームページを立ち上げようと思ったのでした。
その構想を練ろうかと。頭に浮かぶものをうまいこと描けずにいた。

しばらくすると小説家の彼が現れた。
朝倒れた盆栽を手直しして「僕の部屋見てみるかい?」と言ってくれた。
私の中での屋根裏部屋のイメージとは少し違っていた。
階段の踊り場のようなスペースで彼は暮らしていた。床は木で出来ていてワックスが塗り重ねられている。
壁はトタン。洗濯物を干す屋上につながるガラス戸から外に出るとソファーが二つ。
おいで、と言われ屋上の足場から屋根に下りた。
「煙草を吸う人はここで吸ってもらうんだ」と言っていた。
そうか。ここが居心地いい理由の一つはみんな煙草を吸わないからなんだなと気付いた。
彼の部屋はセンス良く本がトタン壁に飾られ服や帽子も掛けられている。
狭いところ好きにはたまらなく憧れる彼の屋根裏部屋だった。

彼はご飯を作りに去って行った。

住人4人と私が集まり、おいしい彼のご飯をいただいた。
チヂミや葱味噌や大根のナムルなど、おいしくいただいた。
この家では彼が一番料理を作るらしい。

お姉さまがたは、アンチョビや肉みそとかなんかいろいろ常備食を作っているようだった。
この家ではだんだんと肉から野菜中心へ食事をシフトさせていっているのだそうで、興味深かった。

家主の彼はは昼間に谷中で買ってきた陶器の味のあるマグカップを自慢していた。
http://www.iwaoono.com/shitamachi/newpage4.html
私も谷中に明日行ってみようと決めた。

君に見せたい文章がある。と、小説家の彼が本を持ってきた。
「そのあとで彼がまたこういった。「色が行ったり来たりしている。その色のなかに隠れている人たちがいる」
僕はそれらの人たちを追いだしてやろうかと尋ねてみた。すると彼が答えて言った。「君にはその人たちを追い出せないよ。なぜって、君にはその色が見えないんだもの」
ジャン・コクトオ「Le Bal du Conte d'Orgel」序文


食事を終え、この日もお酒を酌み交わす。途中で可愛い女の子がやってきた。
小説家の彼が、昔、舞台の脚本を書いていた時の衣装を作っていたパタンナーの女の子。
彼女も北海道出身。本当に可愛い。
彼女のブランドを紹介しちゃうよ。
FIL DE FER(フィルデフェール)http://www.rolladex.co.jp/fildefer/
鉄の糸という意味なのだそうです。

終電の都合で彼女は帰っていく。

みんなが集まったり私が泊らせていただいている部屋の手前には図書室がある。
床から天井までが本棚になっている。そういう本棚のある部屋に以前から憧れていた。
住人みんなでつくったようだ。

気になる本を読ませていただく。
彼の引いた線があちこちにある。


村上春樹さんのインタビュー集「夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです」の中からピックアップしてメモした。

常に後ろは振り返らず、新しいものをインテイクしそれを煮詰め、煮詰めきったところで新しいインテイクというダイナミズムを維持していたからマイルズ・デイヴィズの素晴らしさは新しいものの取り入れ方のダイナミックさとネジの締め方の厳しさ、そのふたつにある。

読んでいると励まされるというか、なにか気持ちが高揚していく響きみたいのがある。
僕は結局文章が好きなんですね。文章を書くのが好きで、自分の文体を使って何が得られるかに
すごく興味がある。しかも自分の文体を使うと自分が何を考えているのか、何を求めているのかよくわからなくても文章にするとだんだんわかってくる。そのままだと見分けのつかない無明の世界だから。

せっかくプロとしてものを書ける状況にあるのだから、あらゆる力を振り絞って書かないと、それは人生に対する冒涜だろうと僕は思う。なんでこの自分が物語なんてものを産めるんだろうかとか考えるとやっぱりそれは一種のギフトとして与えられているのかなと感じる瞬間はある。
だからそのために全力を尽くさなかったら何かに失礼にあたるんだ。



本を読み床に就いた。

東京最終日の朝。布団を片付け、静かに箒がけと床拭きをした。
お掃除していたら東京国立科学博物館のインカ帝国展のパンフレットを見つけ今日はここに行こうと決めた。
絵描きなら泊まらせていただいたお世話になった家には絵のプレゼントをするよな、、、と思い描き始めた。

すると小説家の彼がやってきた。「今日はとてもじっくり書けたよ」
彼の習慣は6時ころ起きて散歩したり10時くらいまで執筆するらしい。それから小説の勉強をして、午後は友人に会ったり図書館に行ったりするようだ。

「それは満たされた気持ちになるよね」私が言うと深く笑顔で頷いた。
今日の予定を訊かれ、インカ帝国展を見ようかと思うのと谷中に行ってみようと思っていると伝えた。
もう少し早く聞いていればタダ券あったんだけどなぁ、と。聞くと彼は博物館で先日までアルバイトをしていたようだ。
建設現場で出てきた人骨の土を丁寧にはらいどこの部分の骨なのか調べるというアルバイトだそうで、不思議と不気味な印象とか受けずにやってみたいとさえ思った。

私は本のある空間が好きだと伝えると、
「よし、谷中の僕の好きな本屋さんに連れて行ってあげるよ。きっと君も気に入ると思うよ。今日は午後からサントリーホールで友人がバイオリンを弾くから良かったら一緒に行こうか。
君が博物館に行っている間に僕は図書館に居て調べ物をしとくよ。この図書館もお気に入りなんだ。そこも案内するよ。
博物館に行って、図書館に行って、谷中を歩いて本屋さんに行ってそのあたりでご飯を食べて、午後はサントリーホールに行ってって感じでちょうどいいね」

彼が街を案内してくれた。
旅先に友人ができると旅が一段と色鮮やかになる。天気も昨日とは打って変わって晴天で心地よい風が通る。
案内してくれた街は上野、谷中、千駄木。

家を出ておなかが空いたので肉まんを買っていき、博物館の前の公園のようなところで食べた。
博物館の前に実物大のクジラがいて、クジラとイルカの話になった。
クジラとイルカは他の星の文明から来たという私の突拍子もない話にも、彼はそういうのを僕も本で
読んだことがあるよと言ってくれた。クジラやイルカの記憶は100年以上も続いていて、その記憶というものは他のクジラやイルカとも共有しているんじゃないかと思うんだな。
など話してから私は博物館に。彼は図書館へ。

日曜日だったので博物館はとても混雑していたのでじっくり見ることは難しかった。
マチュピチュの人々は言葉を持っておらず、キープというひもの結び目の数を十進法で情報伝達の手段として用いていたというのが興味深かった。開催期間は6月まであるので、ピースボート出航前にまた来ようと思い、博物館を出た。
彼と会話したくてうずうずしていたのだ。

合流しようとして私は間違えて反対側に行ってしまっていた。
交差点の柵のところに座り太陽をあびて待つ彼の姿を見つけた。
方向音痴で申し訳ないと謝っていると、国立国会図書館こども図書館に着いた。
建物は明治39年に建てられた帝国図書館で、建物を保護するような形で安藤忠雄氏によって再生されている。
この建物もとても趣深い。http://www.kodomo.go.jp/index.html

「ここでぼーっとするのが好きなんだ」と3階のソファーに座った。
ガラス張りで中庭が見渡せる。

こども図書館の展示を見て、谷中へと向かう。
彼との会話は途切れることなくひたすら続く。
こんなに誰かと会話が続くことがあるのかというくらいにお互いに話し続けた。
波長が合うというのはこういうことなのだろうなと思った。
上野から谷中の方へ歩く。

私はこんな絵を描いたらみんなに気に入ってもらえるかなとか考えてる自分に気づいて、
それって他人の目を気にしてることになるんじゃって思ったの。と言った私の言葉に、
僕たちは今はまだ売れた作家ではないから世間からの期待という形はないんだ。
だから〝今〟の僕たちは自分たちの好きなように出来るんだ。今だから出来るんだ。
との言葉をもらった。勇気づけられた。

一緒に直感で行きたい道を歩いてゆく。
東京とは思えないような街並み。私の東京のイメージをどんどん塗り変えてゆく。

許すということを練習しているんだ、最近。
恋人間で何かあっても、私にとって新しい考え方なんだなって思うようになったりしたの。
と言った私の言葉に、
そういうのも大事かもしれないね。でもそれで知らないうちに自分の中でため込んでしまったりしないかな。
と、やさしく言われて、そうなのかもしれないってハッとなった。

自分の理想とする自分と、自分の感情との間にあるものは、なんなのだろう。
なんでも許せる大きな人間になりたい。というところと、
思いもよらない相手の言動。それに対する自分の感情。

鏡の法則を使うと、私も相手にとって思いもよらない言動をしてしまっているということ。
もしくは、自分の人生の勉強のための一部なのか。おそらく両方かな。

何かの流れで私は二葉亭四迷と同じ誕生日なんだよ、と言ったら、
「君はなんてタイムリーなんだろね。僕はちょうどいま二葉亭四迷の勉強をしているんだ」
彼は二葉亭四迷がどんな功績を残したのか教えてくれた。

おなかが空いてきて、彼のおすすめの塩ラーメン屋さんへ。
列が出来ていてしばし待つ。待ちながらトート神のことや、
喜望峰から自転車で日本まで帰ってきたことのある彼の友人のことを話したりしていた。
どんだけお尻丈夫やねん。

本当においしくておいしくてぜひ皆さんにも食べてみて頂きたいくらいです。
麺やひだまりhttp://menya-hidamari.com/
煮卵の絶妙な茹で具合とチャーシューのしっかりした味のバランス。
ピースボート出航の前日に食べに行こうかな。

ラーメン屋さんで恋愛時の感情について語り合った。
恋に落ちた時の感情はうまく言葉にできないけど、すごく素敵な感情で、
私はその感情が大切で好きだな。
恋人関係にならないからこそ語り合える部分と、
恋人になってしまうとそれ以上踏み込まなくて語り合わなくなる部分というのがあるよね。
という私の考えに彼はとても頷いていた。
もしかしたら、お互いに好意はあるけど、恋人じゃないからお互いに得る部分があって
ある種のこれからの時代を生きていく創る者の同志として見えないもので繋がっているような気がした。
彼にもこの数時間後に、私たちは過去世で兄弟だったんじゃないかなって言っちゃった。
まぁ片思いかもしれないけど、いいさ。

ラーメンを頂いた後、谷中銀座商店街へ。ぷらぷらと歩き、商店街を抜けたところに彼の好きな本屋さん。
古書 信天翁(あほうどり)http://www.books-albatross.org/
きっと君も気に入ると思うよ。と言っていた通りとても気に入った。
ズキュンときた。

美術書や建築書もあり見ごたえがある。
こんなところで働いてみたいとも思った。

外のベンチに座って空を眺めている彼。
まぁ座りなよと招かれ私も座り空を眺める。

寒くなってきたので再び商店街を抜け、千駄木の駅から赤坂へ。

地下鉄を待つプラットホーム。
今更になり、私の名刺を渡す。彼もライターだったころの名刺をくれた。
私の愛犬の絵を見て、僕も昔、犬を飼っていて天国に旅立ったんだと話す。
私もこの愛犬は去年亡くなったの。と言う。
なかなか離れられない気持ちを、君の絵で逝かせてあげれるような気がするよ、と言ってくれてジーンときた。
私にできることはこの世から旅立った命をその命を愛したこの世に残っている人々に癒しを届けることなのかな。
彼の言葉は私にヒントをくれる。

赤坂に着き、駅を出て、電柱の広告に目が行った。
フェニックスパワー研究所 宇宙のパワーなんちゃら
http://www.phoenix-power.com/
気になって行ってみるしかないね!ってノリで、研究所前まで行き、
これは・・・ってなってお邪魔しましたと、そそくさと立ち去った。

スピリチュアル的な話も彼は冷静に受け止めてくれる。
彼が今のシェアハウスに来る前は男3人でシェアしていたようで、その時一緒に暮らしていた友人の一人は
今や有名な占星術師ユピテルジョージとして活動している。http://www.ondorinohane.com/index.php
毎週月曜日に無料でケータイに自分の星座の今週の星便りが来るメールマガジンがあるのだけど、それが無料なのに内容がとてもこってりなのだ。逆にいっぱい書いてあって私は覚えれないくらい。
占いに興味があったら、ぜひ登録してみるといいよ。

(ローマ神話の主神という意であるため)ユピテルって名前に入れるところが考えられないと笑っていた。
オーバーソウルについて話していて、ジョージ君は魂はブドウの房のようなものなのではないかと話していたことがあったと彼が言った時、目の前をブドウの絵が描かれたトラックが走り去った。
驚いた私はわー!ぶどうだ!と声をあげて興奮してしまった。
彼はからかってシンクロ!シンクロ!って笑っている。
ジョージ君にもよく、シンクロだろwって言ってからかうらしい。

ビルが立ち並ぶ真ん中に公園のような場所があり、石のベンチに腰掛ける。
景色のいい場所で座りゆっくりするのが好きな人である。

この日はちょうど、オープンハウス~サントリーホールで遊ぼう!http://www.suntory.co.jp/suntoryhall/sponsor/2012/120401.html
という企画が行われていて、建物の外では朝市みたいなイベントが行われていた。昼過ぎだけど。
「春だね~呑んじゃいますかッ」という気分だったので昼間から一緒にビールを飲み、
階段に腰掛け語り合う。

お互いの恋愛の話をしていると、そこにも似たような部分をお互いに持っていた。

ビールを飲んで、ホールの中に入る。
その時はステージに上がろう!という企画が行われていて、私たちも子供に混ざり上がってみた。
小学校のときの合唱団の発表を思い出す。

そのあと客席に座り、再び語り合う。
そうこうしているうちに彼の友人のオーケストラの発表が始まった。
友人は小柄で、前に居る男性の身体にすっぽり収まっていて見えなかった。

演奏が終わり、夕刻。
おなかが空いたねー。誰かご飯作ってくれていたらいいねーと言いながら地下鉄に乗り込む。

彼はシェアハウスの屋根裏部屋に月2万円で暮らしているという。
月に5万あれば暮らしていけるという。週2回バイトをすれば生活出来るという。

谷中を散歩したり、歩いて行ける場所に図書館がありそこで調べ物をしたり。
彼のシンプルな生活にとても興味がわく。

私もその生活に憧れはじめた。
これからの人生の中で、そのようなシンプルな生活をしてみたくなった。

かまじいの家は私のルームシェアのイメージを一変させてくれた。
個性の違う人間同士が一緒に住まうのだから、時に衝突もある。
だが、ものを創る人間が黙々と部屋で製作し、一人の部屋で過ごし、会話もなく一日を過ごしていくのと、
部屋で製作し、部屋を出ると「今日もお疲れ。まぁ一杯呑まないか?」と言える人がいる空間。
業種の違う人たちから受ける刺激。
恋人との同棲生活とは違う空間。

集まる者によってシェアというのはとても可能性に満ちている。
こんな可能性も見える。
「今度こんな商品を開発するんだけど、商品のパッケージデザインに悩んでてね」
「こんなのはどう?」とラフスケッチを見せて、「いいじゃん!」となり、
その後の商品のパッケージデザインを請け負ったりとか、仕事で繋がることも出来るかもしれない可能性とかね。

建物の一部をギャラリーにして、アーティスト仲間と個展を開催したり、
音楽をする仲間がいれば、そこでライブしたりとか、
保育士資格のある子がいれば、託児所としてやっていくこともできるだろうし、

なんだかこれからの時代のシェアハウスというものは私にとって可能性の宝庫に感じてくるのだよ。

あと、私は店長代行になり初めて大企業の名刺を持って企業に守られているのってこんな感じなのね。
一度経験させていただいたから、もういいやって思った。
という考えを小説家の彼に話すと、彼も一度ライターとして働いて同じように思ったそうだ。

この非正規雇用形態が増えている世の中、私はそれを肯定的に受け止める。
私はこれからの人生、いろいろなアルバイトを経験したいと思っている。
そこは彼も同じらしい。

人骨の土をはらうアルバイトとか、とてもやってみたい。
ディズニーランドでキャストとして働いてみたい。
お正月のおせち料理つくるのもやってみたい。

ただ、そこで表現者としての自分の軸はしっかりと持った上でね。

なんだか楽しくなってきた。

家に着くとお姉さまが「ごはんつくるよ、しのちゃんも食べていく?」と台所に立っていた。
「お願いしまーす!!」とお言葉に甘えさせていただいた。

新幹線の最終時間に間に合うように最後だけ時間の計画を立てた。
ごはんが出来るまでの間、朝の絵を完成させようと黙々と描いた。
ごはんが出来て呼ばれる。この感じ、実家のような感じで楽しい。

この家では季節を食卓に感じる。
いい香りの春菊のサラダ、春菊のお味噌汁。
ぬか漬けやお麩の入った炒め物、昨夜の小説家の彼がつくった大根のナムル。
炊き具合の絶妙なおいしいごはん。

食べる事ってたまに面倒な行為に感じることがあったけど、
季節を頂くという日本食の美しさを感じ、食べる事って楽しいなって思った。
みんなでご飯を食べるからこそなんだろうけれど。

「そろそろふきのとう売ってる季節かなぁ」「今日売ってたよー」
そんな会話が飛び交う。

番茶をお茶碗に注がれて飲む。おじいちゃんとおばあちゃんとの食事を思い出す。

かまじいの家は、建物だけでなく、住む人々も風情がある。

荷造りをして挨拶をして家を出る。
住人3名に玄関で見送ってもらい、外に出ると
屋根の上から「しのちゃんまたねー」と手を振る小説家の彼。

絵になるよまったくもう。

アートフェアで何か刺激を受けるものあるかな、とはじまった東京の旅は、
思いもよらず、違うところで私のこれからの人生観に大きな変化をもたらした。

やっぱり人と人なんだなって思った。大切な友人も出来た。

濃厚でありしかし時間の流れがとてもゆっくりで、濃密だ。

ピースボートの出航前にかまじいの家に泊めてもらうことにした。
ピースボートから帰ってきたら関西でルームシェアを始めようかと思う。
ピースボートでシェア仲間が出来たら最高だな。

大阪に帰ってきて、夢だったのではないかと思うくらいに素晴らしい時間だった。
小説家の彼がくれた名刺が夢ではなかったことを教えてくれる。
その名刺は宝物だ。

私が自由に行動することによって、実は不安をためこんでしまってないか恋人にメールしてみた。
「しのが見聞を広める為に口は挟まんよ?」と帰ってきた。

私は大きく受け止めてくれるそんな彼がやっぱり大好きだ。
うれしくって涙ぐんじゃった。

だから今度の週末、彼のために野菜を多く使った料理をいっぱい作ろうと思う。






2012年4月6日金曜日

ラブ


こんな絵を描いてプレゼントするのが好き。

実家で飼っていた愛犬ラブ。男の子。

みんなに愛されるようにと、パパとママが名付けた。

その名前の通りみんなから愛された。

わたしが部活の合宿やパパの出張で、ママは一人になると淋しいからと私が高校一年の秋に飼い始めた。


去年の秋にラブは違う世界へ旅立った。



中学時代、同級生がずっと泣いていて、どうしたのか訊くと、

「飼っていたピーちゃんが死んじゃったの」と。

「え、鳥でしょ?」

そんな感覚だった。
ペットを飼う前は、たかがペットでしょ?という冷たい性格だった。

しかし、ラブがうちに来てから、その同級生になんてことを言ってしまったのかと後悔の念に押しつぶされそうだった。


ラブの存在は私たち家族にとって大きかった。

愛する命を失う悲しみは誰にでも訪れる。


  



今年の春にこの絵を描いて実家に送るとみんなが喜んでくれた。

とくにママは相当嬉しかったようで、

ラブがハートの目をして帰ってきたさ!
オレのこと忘れてなかったか!!
言うて
威張ってるさ!

ありがとうさん!


と、ハートや笑い顔の絵文字をたくさん使いメールを送ってきた。
のちに手紙でも

昨日はラブをありがとう。エヘッ

っと、他の用件と一緒に送ってきた。


自分の母親ながら可愛い人だなと思う。







先日友人にこの絵の写真を見せたら

「なかなか離れられない気持ちを、君の絵で逝かせてあげられるような気がするよ」と言ってくれた。

ジーンときた。

私にできることはこの世から旅立った命をその命を愛したこの世に残っている人々に癒しを届けることなのかな。と思った。


だから、もし私の描く絵で安心してもらえるなら、どんどんプレゼントしていきたい。




ラブ ありがとう。