なんだろう。
こんな気持ち…ひさしぶりだ。
逃亡生活4日目。
きょうのMy sweet roomは初日に泊まった空港近くのホテルだ。
昨日も今日も明日も明後日もバンコクは当分晴れ。
私の荷物はバックパックでもなく、ただのリュック。
海外へちょっとした遠足みたいな感じだ。
この中に日本で着るダウンも入っている。
海外に行く時よりも
日本国内を撮影でまわるときの方が荷物が多い。
安いドミトリーに泊まりバックパックで旅をするのとは今回目的がちがう。
一人になるために海外に出るのに、
ドミトリーに泊まってしまっては意味がないし、また余計な気を遣ってしまう。
(ドミトリーはどこかの国の旅人と部屋をシェアするカタチだから)
今回は数日だけだしね。
今日は地下鉄に乗ってみる。
チケットはコイン型のプラスチック。オレオみたいやな。
改札にタッチして通り、
出るときはスルッとコインを改札に入れて出る。
ホームはこんな感じだ。
シーロムという街へ向かった。
あ、
「おっちゃん、これ食べたい!」
「カオマンガイだね」
「うん、それそれ〜!」
鶏のスープで炊いたご飯に茹でた鶏肉をのせたもの。
タレをかけて食べる。
めーっちゃ美味しかった。
まかない食って感じやな。
大好きなタイ料理を食べまくりたいと思っていたのに、
私は少食になってしまった。
少食になったならもっと…(ぷにぷに
自己否定しないぞ!
食べるものを厳選しなければね。
今日はなんだかゆっくりしたい気分だ。
スタバは混んでいる。
っちゅーことでバンコクのマクド。
レシートの下にWi-Fiのパスワードが書いてあるのだが、
で、大量のバースデーメッセージに返信していたら、
私のカフェモカにハエが遊びに来ていた。
小さい虫はご先祖が遊びに来ているということなので、
余程のことがない限り、
追い払ったり潰さないようにしている。
そして話しかけたりもする。
(きょうは飲んだ後のふちにいたからね)
先日のホテルの蚊には、
「きみも女の子なんやね。あんま刺さんといてな。刺してもええけど、あんま痒くならんようにしてや〜」とか話していた。
そのあと、めっちゃ刺された。
でもそこまで痒くならんかった。
うそだ。痒い。
一気に大量のバースデーメッセージに返信していたらネット使用可能時間の45分が経ってしまった。
今日は立春で、天のお正月らしいね。
きのう自分の誕生日で死と向かい合い、きょう立春でまた生まれ変わる。
なんだかこの流れ、興味深い。
きのうのブログにも書いたが、
私はほとんどの時間をひとりで過ごす。
ひとり行動が好きだ。
(焼肉は誰かと行きたい。私は焼いてもらう担当ね)
私は自分を楽しませることを知っているつもりだ。
そこで思ったのは、
私はひとり行動が多いけれど、
見えない存在達と常に一緒にいるからなのかもなということ。
みんなもそうだろうと思うけど、
手相観のマリカさんが私を観て仰っていたように、
私には見えないサポートがいっぱい付いているということだ。
きのうはホテルで泣いた。
ブログを書きながら、死体の可愛い愛しい赤ちゃんたちを思い出して泣いた。
そして、
普段関わってない人たちや尊敬する大御所の方からもバースデーのメッセージをいただいて、
私はこんなにも身勝手に生きているのに、
たくさんの方たちに声をかけていただいてることに、
なんだろう。
なんて言うのだろう。
可愛がってもらえているなぁ。
愛されてるなぁ。
なんて有難いのだろうか。
と思った。
自分で言っちゃった。笑
そう、そして今回旅に来れたのは、なんと言っても師匠AKIRAさんのおかげだ。
「AKIRAさん、誕生日を海外で過ごしたいので、写真集制作のギャラを前払いで頂きとうござる」
とお願いし、
「おう!ガッテン!任しとけ!」と、
昨年12月にギャラをいただいたことで今回の旅が出来ている。
師匠も約15年前の音楽活動をする前の執筆活動のみで生活していた頃、
出版社から印税を前借りし海外に行っていた。
だからこそ、海外逃亡を渇望している私のことを理解してくれる。
師匠のおかげで、こうして貴重な誕生日が過ごせた。
最近感じているのは、私に価値を感じてくれている人たちは確実にいるんだなということ。
たなかしのというキャラクターを見てくれている。
そして私自身が発することを楽しんでくれている人、
楽しみにしてくれている人たちがいてくれているということを感じている。
先日も、パキスタンカレーのつなぎ屋の店主が、
しのさんのファン絶対いるわ!と私のトークに爆笑して絶賛してくれた。
素直に嬉しかった。
ここでちょっと、
他人のせいにして前に進めるのならば、
いっそのこと他人のせいにしてみようかな。
他人のせいにするというよりも、
他人様の言葉をきっかけに動いてみるということだけれども。
私が自分で設定した仕事の値段が安すぎると師匠からご指摘を受けた。
私の尊敬する長倉顕太さんも、「自分の仕事を安くするのは甘えである」という言葉を残している。
このタイミングで私がこの言葉をキャッチするということは、
これがメッセージなのだろう。
そして、余生を一緒に過ごそうと誘ってくれた
アメリカ人のおじいちゃんが私に言ってくれた言葉を思い出した。
「しのにはキャリアがあるんだね」
ヤバい、今こうして書いているとその時のことを思い出して涙でてきた。
おじいちゃんに私は中学からずっと美術でやってきているという話をした時だ。
ん、なんだかここに私の中に押し殺していたものがあるようで、
今、雑貨のあるおしゃれカフェで書いてるんやけど、涙があふれてしまう。
良かった、他にお客さんがいなくて。
それにしてもどんだけ泣くねん。
12歳でデッサン描いて受験して、
中学高校そして大学まで美術でやってきているというのに。
私はその時間での経験を認めることが出来ていなかったんだ。
今、こうして好きなことして生きて、のほほんと好き勝手やっているけれど、
かなり自分を自己肯定出来てるつもりでいたけれど、
私の中に大きな大きなしこりがあって、そのしこりこそが自分のキャリアを認めることから逃げていたということだったのかもしれない。
あぁ〜!今回の旅はすごいことになったぞ。
つまり、いつまでも若手ぶっているのは逃げである。
はっきり言って、あの変なAKIRAさんに(変なって言っちゃった。褒め言葉である)出会った時に衝撃を与えた私なんだから。
あのAKIRAさんに一目置かれているのだから。
世界的セラミックアーティストのKANEKOさんに興味を抱いてもらえた私なのだから。
神「しのよ、もうそろそろ、自己評価を上げても良いのではないだろうか?」
ウニヒピリ「私を見てよ」
私「 ´д` ; う、 うん」
ここでいま一度、この先に望む自分の生き方を考えてみる。
というか、
あーだこーだ言うよりも、単刀直入に。
【 仕事の値段を上げるぞ!】
安さを求める人は、安いところに行けばいい。
私が売りにするのは安さではない。
たなかしのに依頼をしたい方だけが、私のところに来てくださればいいのだから。
安かろうが高かろうがキャラクターを気に入ったら、その人に仕事を頼むものだ。
私が創るものには、今までの私が詰まっている。
私の編集作業の選択配置のひとつひとつにも私の人生が詰まっているということだ。
「実績つくまで待ってるやつは一生実績つかない。実績は勝手についていくもの」
と、長倉さんは仰る。
私はついつい、相場はいくらなのだろうかとか、
あの時受けた仕事はいくらでやったから、またいくらくらいだなと思っちゃうけど、
私も成長している。
たなかしのという価値を自分でつけていく。
これは覚悟だ。
師匠がこれだけ評価してくれているのに、
自分で安くやっていたら、
ギャランティーをこれだけくれている師匠に失礼なんだと今になって気付いた。
そうだよな、そうだよな、そうだよな。
酸味のある腸詰めって感じ。
キャベツと生姜と青唐辛子がついてきた。
味自慢うどんゾーブ。
ゾーブってなんや。
きょうのMy sweet roomは初日に泊まった空港近くのホテルだ。
ホテルの周りには何も無いから、ちょっとだけ遅めに帰ろう。
高架鉄道でホテルの方向の終点まで行って、タクシーに乗ろう。
なんかすごいビルだ。かっこいい。
電線多い。
きのう、今さらガイドブックを見て、
バイクのタクシーもあるんやな〜とか見ていた。
終点まで行ってタクシー乗り場へ向かおうと歩いていたら、
お兄さんふたりに声をかけられた。
「バイクタクシーいかがっすか〜」
「お!バイクタクシー?マジで!」
きたきたきたー!乗りたかったやつやん!!
私はまんまるく目を見開き、マジで!と言う。
MAPを見せてここへ行きたいと伝える。
300バーツで連れて行ってくれるって。
私は元バイク乗りだった。
ひさしぶりの単車にとびきり気分は跳ね上がる。
バイクの後ろに乗るとか超好きだった。
車の隙間を風を浴びながら走っていく。
徐々に上がるスピード。
こんなスリル、どれだけ振りだろうか。
さらに上がるスピード。
右手でバイクの横をつかみ、左手でお兄さんの腰の服をつかむ。
わぁわぁしている不安定な私の左手を
お兄さんは自分のおなかにグッと引きよせる。
大学時代、好きだった先輩のバイクの後ろに乗ったことを思い出す。
時速80キロで車の間をすり抜ける。
私はノーヘル。
300バーツ、およそ1,000円に命を預ける。
最後の夜に最高な経験をしている。
過去はただの情報であり、幻想だというけれど、
たしかに私は、
中学時代に私だけ絵が落選した時も、
高校時代にデッサン室で、ひとりデッサンを描きまくっていた時も、
大学時代に好きな先輩のバイクの後ろに乗っていた時も、
ぜんぶぜんぶぜんぶ、
私はたしかにその瞬間を生きていた。
どの瞬間も私を生きていた。
そして私は、この瞬間を噛みしめる。
そんなことを思った。
スピードの速さに、お兄さんの背中に顔を隠す。
時速100キロ。
車のあいだをすり抜ける。
こんなスリル、経験したことはあるだろうか。
こんな感覚、ひさしぶりだ。
あぁ生きてる。
生きてる。
生きてる!!!
ドキドキドキドキ
ヒヤヒヤヒヤヒヤ
ドキドキドキドキ
ヒヤヒヤヒヤヒヤ
心臓がどれだけあっても足りないくらい。
この瞬間が終わらなければいいのに。
それでもホテルに到着する。
あ、
お兄さん、私のこと、好きになっちゃったでしょ。
なんてね。
恋する気持ちは世界共通。
ホテルの部屋に入り、Wi-Fiにつなぐとメールに スリランカにいる師匠からのプレゼントが贈られてきていた。
「詩乃詩を送ろう」 だって。
とびきり素敵な詩が贈られてきた。
私はみんなから愛されているね。
ありがとう。
私は私が創造する世界を愛してる。